Kyoko

2023年1月19日2 分

日本語には過去も未来もない?〜日本語母語話者にとっての英語時制の理解〜

日本語母語話者にとって一番壁になるのが、時制の理解です。

英語の授業でよく「過去ーーー現在ーーー未来」という線を書いて先生が説明してくれたことを覚えているかと思います。でもなんだかピンとくるようなこないような気がしたものではなかったのではないでしょうか。

日本語には、未来形はないですし、極端なことを言えば、過去形もないと考えることもできます(動詞自体が変化するわけではないので)

ありがとうございます。ありがとうございました。

という挨拶ひとつとっても、どちらを使うのが正しいでしょうか。

「おかあさん、どんぐりがあった!」

は過去形なのでしょうか?

「た」があらわすものは過去だけではないので、必ずしも、過去というわけではなく過去を表すときに現在形を使うこともできるのです。

「600年前なら、その頃ならピサの斜塔は新しいからね。」

この文は600年前の話をしているのに、何故過去形じゃないのでしょうか?

日本人は時間(とき)について、延長のある、区分できるものとは一般に考えてこなかったらしい。日本人にとって未来とは主観的な推量・推定の中にあり、過去とは記憶に確かか、確かかによってその存在の認識されるものであったと思われる。日本人は時間(とき)について、延長のある、区分できるものとは一般に考えてこなかったらしい。日本人にとって未来とは主観的な推量・推定の中にあり、過去とは記憶に確かか、確かかによってその存在の認識されるものであったと思われる。

「時間と言語を考える」溝越彰

日本語文法が反映しているのは、世界の時間的構造、過去・現在・未来に分割された時間軸上にすべての出来事を位置づける世界秩序ではなくて、話し手の出来事に対する反応、命題のたしからしさの程度(断定や推量 記憶の喚起、行為の意志、相手の誘いなどだ、ということになろう。

「時間と言語を考える」溝越彰

このような時制に対しての理解を持つ言語を母語として持つ私たちは、英語を学ぶときに十分の時制に対して注意を払って学んでいく必要があります。例えば、過去は過去形として発言し、日本語で現在形で言うからと言って英語で現在形を使ってはいけない場面はいくらでもあるのです。

皆さんの学習が実りの多いものになるよう、細かい疑問点も、クラスの中で一緒に解決していきましょう。皆さんの質問で私も勉強することもたくさんあります。

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