Kyoko

2019年12月30日8 分

子供の英語、どうすればいい?〜2020 年4月からの文科省英語の授業の変更にともなって考えること

大きな変更点としてわたしが注目しているのは英語のカリキュラムです。

わたしは英語が大好きで生徒の皆さんを教えててもワクワクしてしまうような言語マニア人間なのでこのような長文の記事をどうぞお許しください。

小学校英語のポイント

1.授業時数が増えます 週に1回から2回くらい

2.小学校3年生から英語の授業が始まります

3.今までなかった読む書く技能が加わります

4.小学校5年生からは活動ではなく科目になるのでおそらく成績がつくと思われます

小学校英語の読むこと

1.アルファベットの大文字小文字

2.簡単なスペルの識別と発音

3.日常生活の中の身近な掲示やパンフレットから情報を得る

4.簡単な絵本を読む(たぶん、はらぺこあおむし、など)

小学校英語の書くこと

1.聞いて書く(簡単な文章のディクテーション)

2.身近な事柄について書き写す

3.簡単な手紙や情報を伝える文章を例文から選び書く、または書き写す

中学校での変更点

1.習得目標単語数が増えます(約2倍+α)

2.高校から一部カリキュラムが移行 過去完了形、仮定法などまで入る予定

3.英語で授業(どうやって英語で授業するのかはかなり疑問点がありますが)

4.発表をすること(Show&Tellのようなものではないかと予想)

具体的にどんな風になるのかの予想

 小3−4は概ね今までの5−6年生で行っていた内容がスライドして下がってくるのではないか?と思われます。

 この改革内容は全国の公立学校を含む全ての学校ではじまるので、どの学校に行っていてもやることになると思います。しかし、指導教官はおそらく担任の先生+ELTとなると思いますので、私立の英語に熱心な学校に通っているなどの場合を除いてはそれほどの内容は期待できないでしょう。

 学校でどれほどの具体的カリキュラムとトレーニングされた先生を配置するのかは未知数ですが、子供たちが英語嫌いにならないように効果的に暗記のテストばかりに偏らない指導になるように願っています。

 中学校については、数年間は移行期間と思われますが、その間の英語の先生のトレーニングなどはどうするのかなとはおもいますが、各家庭で英語学習時間数を増やしておくことは大事です。内容が難しくなれば、勉強時間も多く割かなければならないことは明白です。

小学校の英語の指導内容のクオリティがあまり期待できないのに、中学の内容が大幅にアップするというところがわたしの気になった懸念する部分です。

!注意!上記の内容は変更点の発表から、私が個人的に分析したもので、文科省の正式な見解ではありません。こうなるんじゃないかなと、今まで改革の結果などから鑑みて書いたものです。

英語はいつから始めれば良い?

わたしは英語については、年齢が低いほど能力が高いと考えられている発音の習得、インプットによる脳内での文法構築がものすごい年齢で英語学習の開始は有用だとおもいます。たくさん聞いて、読む、インプットを増やすことが非常に大切です。厄介なのはすぐに結果が見えないところです。継続して5年10年後にようやくはっきりと見えて来る結果になりますが、これらの学習は英語の習得に非常に役に立つと思います。

英語は学習時間×クオリティ

EDUCASANでの英語レッスンの内容と目標

3−4歳

英語を始めるには最適です。発音の習得がすばらしいです。ただし始めたら継続しましょう。やめると忘れる年齢です。本人たちはまだ幼く、大人から見ると結果が見えにくいような気がする年齢ですので、長い目で見守りましょう。英検などを受けるなどの結果を求めすぎると英語をつまらなく感じる子供が多いです。まさに楽しく遊びながら学ぶべき年齢です。日本人の先生ならきちんとトレーニングを受けた先生、またはネイティブの先生がよいです。(下のおまけを参照ください)

 わたしは日本人ですのでネイティブスピーカーではありませんが、発音指導、カリキュラムに基づく指導で、歌や活動をとおして聞く話すの活動、正しい文法、単語、読む書くの導入をこの年齢では行います。

※低年齢児のクラスはただいま設置準備中です。

5歳から小学校低学年

 鉛筆を正しく持ち、書くことができるようになる&書くことに興味が多い年齢なので、書く活動を始められます。簡単な文章、手紙などを書き始めます。この時期から始める場合は上記の3−4才の内容も一緒に進めます。

 わたしは幼すぎる年齢での英検受験をお勧めしません。一度受けだすとすぐに次が受けたくなるし、落ちるとがっかりして自信がなくなるからです。自信を失うにはまだ早すぎる年齢です。長い人生、ずっと英語と関わるのに、自信を失うのは早すぎます。受験を検討する際は慎重にしましょう。傷つきやすい心の年齢ですから。

小学校高学年以降

 言語は早ければ早いほど効果的に習得できます。高学年だからもう遅いということはありません。中学になると勉強が難しくなりますから英語の勉強に咲く時間は減って行きますのでもう遅いと思わず早く始めましょう。読む書くがしっかりできる年齢ですのでスピード感をもって学習することができます。

 自分の意見をしっかりと持ち、話したり書いたりできるようになることがこの年齢からの目標です。文法もしっかり勉強していくことができるようになります。英検を受けるのは、自らすすんで勉強ができるようになるこの時期からが望ましいです。自分から受けたい、自分で勉強したい、と思えるようになると今後も継続ができる大きな力になります。

子供のうちは「会話だけ」でいいか

 結論としては会話だけでもいい場合あるが私の今の時点での答えです。

注意点は守りましょう。単純に言えば上記の年齢で分けて考えましょう。年齢に応じて読み書きも入れていくべきです。

文法はとても大切です。

 会話の中で単語での応答を許容しすぎず、正しく言い直しをさせることは年齢が低くてもできます。(「おいで、じゃなくて、来てください、といいなさい」とか「くださいをつけなさい」とか正しい言葉遣いをその都度訂正されることで私たちは日本語を学んできました)

それは結果的に文法の勉強につながるのです。

 例えば日本語には単数系複数形がありません。数の概念も初期のうちからしっかり学習すべき内容です。「三単現のs」で悩まされている人は多いですよね。それはこの認識が甘いからなのです。

日本語と英語の言語的、文化的な違い

 私たちはあまり主語を言わないでも会話ができる、以心伝心などという言葉の存在するハイコンテクスト文化で生活しています。英語圏はローコンテクスト文化で、情報伝達のために色々と説明する必要があります。日本語では単語で答えれば完璧な会話が成立しても、英語ではそれは成立しにくいのです。ですから、この動作を行った人は誰なのか(主語)、その目的語(誰に何を)はなんなのかをしっかり認識しないと英語はなかなか上達しません。

 文法に沿った言い方はテンプレートで硬い言い方かとおもいます。でも丁寧な言葉遣いができることは、自分が周りから尊重されるため、情報を正確に理解し伝えるためにとても大切です。文のストラクチャーを子供の頃から学ぶことは大事です。(私たちが高校で習ったようなSVOという言葉を覚える必要は一切ありません)生徒に正しい文章で言い直しをさせることは、今後彼らが社会で自信を持って発言できるための基礎なのです。レッスン中はいっぱい間違えていっぱい直してもらいましょう。

フランス語との関わり

 フランス語を学習している方も少なくないとおもいます。

 様々な言語に触れることは頭の言語の扉を開き続けておくためには非常に有用だとおもいます。

 特にフランス語はラテン系の言語です。英語はラテン語語源の単語も非常に多く、みなさんも英語との共通点を発見されることが多いでしょう。その意味でももしこちらに長めに居住することがあるとか、単純に興味があるならぜひやってみることをお勧めします。

 フランス語も学習してみることは英語の学習にも非常に役に立ちます。フランス語には上記の複数単数形にくわえ、名詞に性があります。英語より複雑です。複雑な時制の学習も、その概念を一度身につけたら英語の学習がフランス語に役にたつ、逆もまた然り。2言語が効果的に学習できるなんてなんてお得なんでしょう!しかもこの国ではオランダ語も併記されています。興味の目を向ければ英語上達は日常生活からどんどん進めていくことができます。

ご帰国後の英語の先生の見つけ方のおすすめ
 

日本にご帰国後の英語のレッスンの継続についてよくご相談を受けます。正直日本人でもネイティブでも構わないとおもいます。どちらにしてもトレーニングを受けた先生をえらびましょう。
 

その(ネイティブの)先生は大学を卒業していますか?
 

まず第一に日本は就労ビザの要件が比較的緩く、こちらではありえないのですが、例えば白人でしたら高卒でも「英語の先生」でビザが降りたりします。(信じられないですよね)家庭教師を採用する前に、英会話教室に行く前に、「大卒ですか」は聞いてください。できれば、何学部ですか?(言語学や、文学部などならよりよい)教員免許はお持ちですか?(子供の指導ができるのでとてもよい)などつっこんだこともききましょう。教員免許をもっているならその先生は死守です。金髪碧眼である必要はありませんよ。
 

「ネイティブスピーカー」とは
 

フィリピン人、シンガポール人なども日本には多いですが、これに関してもなまりが強すぎなければ上記の条件を満たしていれば大抵大卒レベルの教養のある人は標準に近い英語を話すことはできますので問題ないです。(わたしたちも方言に加えて、標準語をはなせますよね)理由は、例えばフィリピン、シンガポールまでいれないと先生は見つけにくいと思うからです。
 

例えば、ニュージーランド、オーストラリアなどの方も非常になまりが強い人がいます。どの国の人でも親御さんがきいてもわからない英語しか話せない人はやめましょう。訛りが少ない英語は聞きやすくわかりやすいです。わかりやすい表現で話せる人でなければ子供に教えられませんよね?
 

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